ローサの物語

ハウスオブジョイに一番長くいる子は誰でしょう?それはローサです。
1999年に入って来て以来、ずっとハウスオブジョイで育ち、
18歳を迎えた後も今日までジュニアスタッフとして働いているからです。

ローサは知的障害のあるお母さんが何者かに妊娠させられて生まれたこどもです。
フィリピンではどんな事情であっても中絶は犯罪なので、
お母さんはまったく育てられる見込みがないままにローサを出産し、
ローサは福祉局に保護されてHOJに入って来ることとなったんです。
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お母さんほど重度ではありませんが、ローサにも知的な障害があることは小さい頃から明らかでした。
この子を育てていけるのかという不安はありましたが、他の子たちの協力もあって、
ローサはHOJの中ですくすくと育っていくことになりました。
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小さい子たちと一緒に幼稚園に通って無事に卒業。
こういう融通が利くところが田舎の学校のいいところです。
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そして小学校では新設された特別学級にも入れてもらえました。
勉強にはちょっとついていけなくても、身体能力は高く、自分のことは自分でできるローサは、
なによりもその笑顔で先生たちにも好かれて、18歳になるまでずっとこの特別学級に通わせてもらいました。
ときどき感情を爆発させて暴れることもしばしばでしたが、それもHOJで過ごしていく中で徐々に減っていきました。
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本来、18歳になればHOJは「卒業」するのがルールですが、
ローサの場合、もし実家に帰ったら、かなり高い確率でお母さんと同じ境遇に陥るだろうことが予想されました。
そこで実家の祖父母、福祉局、HOJ、本人で話し合って、そのままHOJに住み込みで働くことになりました。
同じ目線で一緒に遊んでくれるローサはこどもたちにも大人気です!
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そして料理や洗濯、掃除などの日々の生活を支える裏方として大活躍してくれています。
ローサは与えられた仕事は手を抜かずにやるので、スタッフたちにも深く信用されています。
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また、新しく来る長期滞在ボランティアにとって、ローサは格好の先生です。
ローサのおかげで、日々の作業とビサイヤ語を、大笑いしながら学ぶことができています。
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ローサがいると、HOJは1.5倍くらい明るくなる気がします。
これからもHOJを照らす存在として輝くような笑顔を見せてほしいと思います。
来月の誕生日には念願のストレートパーマをかける予定です。どんなふうになるのか、お楽しみに!